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2014年12月13日土曜日

Buona sera. 「今晩は」--2、
ボナセーラ(イントネーションは__〰ーと明るく、軽く発音したいですね。)

  今夜から何度かに分けて、少しイタリア料理についてお話させていただきましょうか。

  私どもテンダロッサでお出ししているのは主に家庭料理をレストランの料理として洗練、完成させたものが中心です。
  「イタリアにはイタリア料理はない、あるのは幾種類もの地方料理である。」ということがよく言われます。
ローマ帝国崩壊後、西暦1861年のイタリア王国による統一まで、ベネツィア、ジェノヴァの両共和国や他の都市国家に分かれ、周辺諸国、ローマ法王庁の思惑により離合集散を繰り返し、それぞれの地方の強烈な郷土意識が育った歴史的背景があります。
また国土が南北に長く、地形も気候も変化に富み、その土地の特産物に恵まれて、私たちの日本では考えられないほど地方色の豊かな、非常にその伝統を重んじる郷土料理が作りあげられました。
どこの土地のどんな料理でも取り入れて、食卓に乗せる私たちと比べると、まるで偏食のように思えますが、彼らはその土地で採れる産物(多くは昔ながらの作り方を律儀に守っている)をおばあちゃん、お母さんと伝わって来た料理法に忠実に料理し、一家そろってテーブルについて神に感謝しながらいただくというスタイルを全くといっていいほど崩そうとはしません。

そんな風にして生まれて伝えられている地方の家庭料理を、商品として洗練させ完成させたレストラン料理の中から、日本のお客様にお伝えしやすいものを選んだり、現地の伝統を重んじ、イタリアの心をよく伝えることを心掛けながら、親しみやすくアレンジしメニューに取り上げています。

  それにしても自分のお母さんの料理以外は全く認めようとしない男の多い、イタリア人からはなかなかお褒めの言葉はもらえません。
以前ずいぶんお世話になったジョヴァンニさんはそれでも、会うたびに、「前よりは良くなったんじゃない。」が精一杯でした。数年前、女子バレーボールのワールドカップが日本で開催された時、岡山で合宿中のイタリアチームの団長のフランコさんと仲良くなり、約一週間毎晩チーム25名引き連れて食事をしてくれたことを報告した時だけ大喜びのメールをもらいました。
つづく