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2015年1月24日土曜日

Buona sera 13

  ご存知ペペロンチーニ。
もう「パスタと言えば、これ」というくらい誰もが知るスパゲティの代表格。正式にゆーと「アーリオ、オーリオ エ ペペロンチーノ」。訳せば「ニンニク、オイル あんど 唐辛子」ということだけど、イタリアではそんなものまず誰も食べないようだ。
要はパスタソース作りの初期段階であるからだ。ここから手を加え、材料を足し込んで料理に仕上げるわけであります。

 「唐辛子とニンニクでさっと仕上げたのを、食べるのが粋」であるかのように書かれた雑誌を若い頃に読んだもんだけど。きっとイタリア料理が日本に入ってきた頃の料理人の誰かの 、原価と手間削減のための陰謀ではないかと勘ぐってしまう。たしかにそのままでもナカナカに美味しいものではありますけどね。

  しかし本当に美味しく作るのは結構気を遣います。
ポイントは①材料の旨味をちゃんとひきだしてやること。②美味しいエキストラヴァージン オリーブオイルを使う。③オイルと水の乳化状態を作る。④冷めたりしないうちにさっさと食べる。最重要ポイントはこれに尽きる。パスタは経時劣化がひどいので、推奨可及的早急摂食(ハヤク、タベテ  ネ)。

  テンダロッサではアサリ、小柱、海老を使って美味しく仕上げます。

  しかし考えてみれば、もともとパスタは、豚の脂で和えて食べていたわけで、いつの頃からかオリーブオイルで和えるようになったのですから、ペペロンチーニという食べ方は古来からの食べ方に最も近いということが言えるようです。古いナポリの風俗画には、道端で手づかみで、オイルで和えたパスタを大口を開けて食べているものがありました。またトマトをソースに使うようになったのはコロンブス(本来はイタリア人なのでコロンボと呼びたい)がアメリカからトマトを持ち帰ってからですから、しかも長い間観賞用だったようですので、おそらく16世紀以降であろうというのが定説です。そこからパスタソースの巾が飛躍的に拡がったのでしょう。